乳幼児突然死症候群(SIDS)について
乳幼児突然死症候群(SIDS)は、それまで健康状態に問題なく既往歴からもその死亡が予測できず、しかも死亡状況調査及び解剖検査によっても原因がわからない、原則1歳未満の児に突然の死をもたらした症候群を指します。
ですから窒息や虐待、犯罪、事故ではない病気という事になります。日本における発生頻度は1/6000~7000人で、発生のピークは生後2ヶ月〜6ヶ月に多く2歳半頃までに発生します。乳児死亡の第3位を占めます。リスクの高い方は、男児、早産(37週未満)、低出生体重児(2500g未満)、うつぶせ寝、保護者の喫煙、ミルクを飲んでいる場合で、発生は冬の午前中に多いそうです。
原因は不明ですが、その発生を低下させることができます。以下にその方法をあげてみましょう。
1.うつぶせ寝をしない。仰向け寝にする。
2.保護者(両親)は喫煙をしない、受動喫煙に注意
3.母乳が出る場合は母乳栄養(ミルクがSIDSを引き起こすわけではない)
4.なるべく一人にしない(同じ部屋で寝る)ただし添い寝はしてはいけない。
5.赤ちゃんを暖めすぎない(厚着は避けて、顔を覆わない。部屋を暖かくする)
6.おくるみは基本使わない(良いことも悪いこともあるので注意)
7.寝ている場所、固めのマット、枕はいらない、かけ布団、ヒラヒラした寝具、タオルは置かない。周りにビニール、ヒモを置かない。短い時間でもソファに寝かせない、ふかふかのベッドを避け、羽毛布団はお腹から下にかける、熱さまシートを使わない。柔らかいおもちゃ、クッション等を寝ている近くに置かない。
8.米国ではSIDS予防商品や家庭用心肺モニター、乳幼児感知センサーは使わない
米国小児科学会によると、すべての健康な乳児は仰向けで寝かせるように勧めています。これによりSIDSが25%減少しました。
不幸な転帰を避けるため、リスクを少しでも下げましょう。出来ることから始めるのが肝要です。